香川で食べる広島風お好み焼き

第二十回「香川で食べる広島風お好み焼き」

みなさん、お好み焼きは好きですか?
うどんといえば讃岐、そしてお好み焼きといえばやっぱり広島風!
記念すべき第二十回目の「まんなか。」は、中讃は多度津町、広島風お好み焼きの香川発祥といわれるお店です。


外観

昭和59年、少林寺のお膝元で暖簾を掲げた「お好み焼 よこた」は、少林寺ご用達として、また地元の学生さんたちの食卓としても賑わっています。
ホームステイを受け入れていたこともあり、外国人客も多いとか。うーん、昔ながらのお好み焼き屋さんでありながら、なんともグローバルなお店です。

営んでいるのは、香川出身の大将と広島出身の奥様。
というわけで主に奥様がお好み焼きを、大将は香川名物の骨付鳥やオリジナル料理を担当されています。

大将のご実家が商売をしていたこともあって、ご自身も始めたというお店。元々はトンカツや定食をしていましたが、1週間でやめたそうです。
大将~ちょっと早くない?(笑)

でも、その後お好み焼きを始めたからこそ今がある!
本場広島では大きな鉄板で焼くのが一般的だったため、わざわざ鉄工所に特注。これが当時の香川ではまだ馴染みのないサイズで。広島風も巨大な鉄板も珍しく、繁盛時は200~300枚くらい焼いていたとか。

当然ながら広島に本社のあるオタフクソースは売っておらず、広島から取り寄せです。
今、当たり前のように香川のスーパーに並んでいるのは、「よこた」のおかげかもしれませんね。
事実、オタフクソースからも表彰されてますから!すごい!



広島風は具材と生地を混ぜて焼くのではなく、生地を焼いてから具材を乗せます。
基本的には具材の最後にうどんやそばを置くようですが、先に麺を乗せてからキャベツやモヤシ、豚肉を加え、生地でサンドするのがよこた流。奥様が子どもの頃からこの焼き方だそうです。
美味しそう~!



実は20年前の火事で店舗が全焼した際、この鉄板だけは残ったそう。
「鉄板は焼きを入れた方が美味しく焼けるから~」と、火事の炎でいい具合に焼きが入ったと豪快に笑う大将。決して笑い事ではないのですが…大変な時期を乗り越えてきたからこその笑顔だってこと、分かります。
不幸中の幸いか、家族全員が外出中に起きた事故でけが人も出ていませんのでご安心を。


さて、お好み焼きをいただくならぜひコレも!
開店半年後にはお店に出していたという、昔ながらの骨付鳥を焼いていただきました。



骨付鳥にはジューシーでやわらかい若と、噛むほどに味わい深い親があります。
鶏の脂分を使ってじっくりと焼き上げるため、旨味が違う!辛すぎず甘すぎず、絶妙な味にハマりそうです。

また、「よこた」を語る上で欠かせないのが、サイドメニューでありながらも来客の大半が注文するという中国めし。大将お手製のキムチを加えたオリジナルの焼き飯です。
癖になる味わいにファンも多く、冷凍おにぎりにして県外発送することも。少々ピリ辛ではあるものの、子どもも好んで食べるケースが多いそうですよ。
ちなみに、味付けは企業秘密なのでココでしか味わえません。ほら、食べたくなってきたでしょう?



メニューの美味しさもご夫婦の人柄の良さも、行ってみなくちゃ分からない!
ということで、チョイスに迷った時はお好み焼き・骨付鳥・中国めしの“よこた三銃士メニュー”をどうぞ。


お好み焼 よこた
OPEN 17:00~0:00
CLOSE 月1回不定休
〒764-0005 仲多度郡多度津町大通り4-22
Tel. 0877-33-1503