お不動さん
大きく見開かれた右目に堅く結んだ口、右手には剣、左手に縄、背には大きな火炎。 およそ仏さまとは思えない恐ろしい形相をされたお不動さんですが、 古くより多くの信仰を集めてきた仏さまでもあります。
そもそもお不動さんがこのような姿をされているのは、 あらゆる悪魔たちを退治するためといわれています。 剣は悪魔たちを懲らしめるため、縄は悪魔たちが逃げ出さないように捕らえるため といわれますが、時には間違った道に進もうとする人間をも縄で捕まえて、 正しい道へと引っ張っていく強引なこともやってのけます。
それもこれも人々を迷いから救おうとする慈悲の心があってのため。 その象徴が、人々に襲いかかる迷いや障害を焼き尽くしてしまうという大火炎なのです。お不動さんは、人々を守るためにあえて恐ろしい形相をされているのです。
お不動さんと護摩
護摩とは、結界を設けた空間で火神を招き、火神を通じて、さまざまな仏さまを供養すること。この火を用いた仏教儀礼に、お不動さんの持つ大火炎を重ね合わせ、願い事を成就する妨げや困難を焼き尽くしていただいこうと、お不動さんをご本尊として護摩供が行われます。
金倉寺で行われる護摩は、3種類あります。まずはお不動さんの縁日である毎月28日に行う縁日護摩供。次に正月1日と3日に行う正月初護摩供。そして屋外で行う採燈大護摩供です。