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親子で楽しみ・学び合い・支え合う広場 子夢の家~後編~
東京から善通寺市に嫁いだ草薙めぐみさんが、子育てをしながら仲間とともに築いた「NPO法人子育てネットくすくす」。その活動の場のひとつであり、親子の交流の場となっているのが「子夢の家」です。
先週に続き、パワフルママ草薙さんの思いがカタチになるまでの物語です。
運営は「NPO法人子育てネットくすくす」。地域の子育て支援や障がい児通所支援事業に携わっているので、地元の人にとっては馴染みのある名前かもしれませんね。
代表の草薙めぐみさんが東京からここ香川県善通寺市に嫁いだのは、もう25年も前のこと。初めての田舎暮らしにカルチャーショックを受けたのもつかの間、見ず知らずの土地で子どもを産み育てる大変さを、身をもって知ることになりました。
悩みを共有できる友だち、親子で遊べる場がほしい!
そんなシンプルな思いから始まった「竜川ピヨピヨクラブ」は、当時はまだ珍しかった子育てサークル。もちろんSNSなどのコミュニケーションツールも普及する前ですから、同じ思いを持つママたちがたくさん集まったそうです。
さまざまな親子と交流する中で気づいたのは、草薙さんが感じた孤独や不安、悩みは自分だけの問題じゃないこと。
「ここに来ればほっとする、もう一人産もうかなって思える。子育てのいろんな壁を取っ払って、親子や地域の人が気軽に集える場所をつくりたかったんです」。
仲間と共にNPO法人としての団体運営を決意されたのは、サークルが誕生して8年後のことです。
さて、一番最初の活動拠点は仲間とお金を出し合って借りた古民家。現在、善通寺市の子ども・家庭支援センター内にある「子育て広場くすくす」の前身です。
法人化するにあたって活動内容や目的について話し合い、地域の課題、福祉のことも学ぶ必要があります。メンバーの大学教員や専門施設の人から話を聞き、何度も勉強会を開きました。
草薙さん、これ全部子育てしながらですよね…すごい!
ただただ感心する私に「仲間と積み上げてきた土台があってこそです。家族やママ友の協力が何より支えになってくれたんですよ」とにっこり。
そこには、見ず知らずの土地で不安を抱えていた草薙さんの姿はもうありません。いつの間にか、かけがえのない絆ができていたから。
実はこの場所、100年以上前は芝居小屋でした。ご主人のひいおじいちゃんが土地を買い取って家を建てていたそうです。
そうか、ここは元々人が集まる場所だったんだ―。
100年以上もの時を経て、再び人々が集う賑やかな場となったのでした。
子夢の家では、高齢者との交流やファミリー向け企画、絵本ライブラリー、季節の行事などさまざまな活動を実施。気軽に話せる相談ルームも設けており、臨床心理士を招いての相談も定期的に開いています。
また、建物内のコミュニティカフェでは“ワンデイシェフ”として地域の方やママたちもメニュー作りに参加。社会へのスモールステップに一役かっています。
こちらは、取材時にスタッフの彩ちゃんが作ってくれた果肉入りフルーツジュース!美味しかった~ごちそうさまでした♪
「私たちの役割は、育児の不安や悩みについて正解を出すためにいるわけではないんです。だって子どもが10人いたら10通りの子育てですから…。障がいの有無に関わらず寄り添い、応援し、支えていきたい。そんな中で利用者さんたちが自分の目で見たり、聞いたり、共感できるのが子夢の家。誰かとつながっていける場所、子育てしていても自分の資格や特技を活かせる場でありたいと思っています」
そう語ってくれた草薙さんの優しい眼差しが印象的でした。
ここでご紹介したエピソードや活動は、ほんの一部です。
今夏から秋にかけては、家族の基盤となる夫婦にスポットを当てた「あったかかぞくをつくるコツ」の無料講座が開かれます。夫婦円満&楽しい子育て生活を送るために、ぜひご夫妻で参加してみて!
子夢の家(NPO法人子育てネットくすくす)
http://www.k-kusu.com/ekomu.html
OPEN 10:00~16:00(土曜は15:00まで)
CLOSE 月曜、日曜祝日
〒765-0031 香川県善通寺市金蔵寺町1044-2
Tel. 0877-63-0584
草薙さんの記事はこちら!
地域を支えるヒーローたち vol.22 NPO法人子育てネットくすくす 理事長 草薙めぐみさん